飼い主にとっては犬や猫の鳴き声は気にならないものですが、他の入居者にとっては、ちょっとした動物の声でも騒音に感じられるものです。
過去には、犬や猫の鳴き声が住民同士のトラブルへ発展し、飼い主が賠償金を請求されたケースもあります。
そこで今回の記事では、過去に起こったペットの鳴き声を巡るトラブルの事例と、マンションやアパートで動物を飼う場合の注意点について解説します。
実際に賃貸物件で起こったペットの鳴き声を巡るトラブルとは
1つ目のケースは「ペット可」の賃貸物件で飼われている階下の犬が、鳴き続ける日々が続き、住民の方が眠れない日々が続いたという事例です。
こちらの事例では、管理会社から飼い主へ退去してほしいと連絡があり、犬を飼われている方が不本意ながらに立ち退きました。
2つ目のケースは、隣りに引っ越してきた方の犬が吠えてうるさく、睡眠を妨害された結果、心身に不調をきたしてしまい、飼い主へ損害賠償を請求した事例です。
ペットを飼育する際には、飼い主が隣人の生活へ支障を及ぼさないように配慮する義務があると、裁判所が原告側の主張を認めました。
その結果として、飼い主は被害者へ25万円の賠償金と、心療内科の治療代および交通費を支払っています。
「ペット可」物件だから、動物の鳴き声や物音に対して寛容な住民が暮らしているのだろうと、つい甘く考えてしまいがちです。
しかし、生き物の飼育が認められている賃貸物件であっても、動物の鳴き声に悩んでいる方たちが弁護士へ相談する件数が急増しており、損害賠償に至るケースも珍しくありません。
鳴き声のトラブルを防いでペットと賃貸物件で暮らす注意点とは
たとえ、ペットと一緒に過ごせる賃貸物件であっても、入居者の迷惑にならないように規約を守り、犬や猫の鳴き声が周囲に漏れないように騒音対策をしましょう。
特に、犬は運動不足であったり、遊び足りないとストレスから無駄吠えをおこしやすくなります。
決まった時間帯に散歩に連れて行って、思いっきりストレスを発散させてあげるなどして、規則正しい生活リズムが身に付くように、ペットをしつけつることが必要です。
また、餌を求めている場合や、飼い主へ来客者を知らせているなど、ペットの気持ちが鳴き声となっている場合もあります。
飼い主は犬や猫がなにを伝えようとしているのか理解することが、騒音トラブルを回避する近道です。
仮に、犬の無駄吠えがうるさいなどの苦情が発生した場合には、他の入居者の立場になって真摯に問題を捉えて、速やかに対応することも注意点の1つです。
些細な騒音トラブルから損害賠償を請求される可能性があるので、弁護士保険などに加入しておくと、訴訟へと発展したときに備えられます。